唐松岳山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者(視障)
2名
健常者
7名
1
平成16年8月7日〜8日 唐松岳 合計 9名 会員外 障害者
0名
健常者
0名
  コースタイム:
  8/7 八方池山荘(8:00)…第3ケルン(9:25,9:35)…丸山ケルン(11:35,11:55)…
      唐松岳頂上山荘(12:50,17:20)…唐松岳(17:45,18:00)…唐松岳頂上山荘(18:20)
  8/8 唐松岳頂上山荘(4:20)…唐松岳(4:35,5:50)…唐松岳頂上山荘(6:10,7:25)…
      八方池(10:00,10:25)…八方池山荘(11:20)
天候:
8/7 晴れ後曇り
    一時雨後
    晴れ
8/8 快晴後曇り

★8月7日
 昨日の晩、ムーンライト信州に乗って、朝、白馬到着。白馬岳の時に利用させていただいたペンションのご主人が車で迎えに来てくれていた。ペンションについて、昨晩早く来て泊まったTHさん、TBさんと合流し、ペンションの朝食をテラスでいただく。さらに、山で食べるようにと、朝もぎのトマトをたくさんいただいた。朝食のあとは、さらに八方のゴンドラ乗り場まで送っていただく。

 ゴンドラ、リフトと乗り継ぎ、八方池山荘まで標高差約120mを、一気に登ってしまう。リフトの下には、植物の名前を書いた案内板があり、多くの植物の予習ができた。

 緩やかに登る登山道を、ゆっくりゆっくり登りはじめる。高山植物たちは、最初から、これでもかこれでもかととぎれることなく、咲き誇っている。
 カライトソウ、ハクサンシャジン、シモツケソウ、ワレモコウ、タテヤマウツボグサ、シロバナクモマニガナ、タカネセンブリ、タムラソウなどなど、次から次へと現れてくれる。初秋の花は、なぜか紫や青系の植物が多いようだ。

 八方山ケルン、第2ケルン、八方ケルンと過ぎ、八方池の上にある第3ケルンで休憩。ガスっていて山が湖面に映らないため、池には下らない。休憩していると、ベニヒカゲが私の腕に止まって離れようとしない。みなさんの写真撮影のモデルになってしまう。

 さらに、下の樺を歩き、上の樺の急な登りを頑張ると、雪渓に飛び出した。ARさんに、雪に触れてもらおうと雪渓まで行く。雪を見ると嬉しくなる私は、つい上まで登って、滑りを楽しんでしまう。
 雪渓の脇の急な斜面を登ると、ようやく丸山ケルンだ。不帰嶮(かえらずのけん)が見えてくる。二重山稜のようなところに来ると、チングルマ、ミヤマキンバイ、コイワカガミなどが咲いていた。オヤマリンドウやミヤマリンドウも咲いている。クモマミミナグサは、リボンのような可愛い花をたくさん付けて、自己主張しているようだ。

 しばらく行くと、雨が降り出したが、カッパを着ると止んでしまう。
 最後の難所、山頂直下のトラバースは、鎖場がある。疲れが出て来る頃だから、慎重に通過する。ようやく小屋に着き、ホッと一息。小屋の受付をすませ、私はテントの受付をして、みんなで生ビールを飲んで、乾杯だ。

 今日は、これで終わりだと思っていたが、THさんが、明日どうなるか分からないので、これから山頂に行きたいという。みんなも賛成し、山頂を目指す。小屋の脇には、コマクサやトウヤクリンドウ、クロトウヒレンなどが咲いていた。
 山頂は、大勢の人でにぎわっていた。どうもみなさん、ブロッケンが見えると喜んでいる。私たちも見てみるが、なかなかはっきりしたものが現れない。そうしているうちに、大勢のグループは下に下りていった。すると、ブロッケンは、それを待っていたかのように、くっきりと長い時間現れてくれた。

小屋に戻ると、ガスが晴れて、剣岳や五竜岳が顔を出してきた。大空のキャンパスに自由奔放に見事な形を描く雲は、残照と相まって、色を変え、形を変えて楽しませてくれた。唐松岳の北側にある低い位置の太陽が唐松岳に当たり、唐松岳の上空にある雲に山の陰を映している。山にいなければ決して出会うことのできない光景に、しばし見とれる。

 日が沈み、私はみなさんと別れテントに向かったが、テントの前をオコジョがちょろちょろと走り回っていた。何とか、ビデオにおさめることに成功!! ラッキーでした。

 夜は、満天の星空。私は、テントの中から顔を出し、「テントの中でも星見はできる〜」と、ゆったりと流れる天の川と、翼を広げて飛ぶはくちょう座を楽しみました。

★8月8日
 明け方になると、オリオン座やスバルが顔を出し、冬の星座になる。東の空には明けの明星が輝き、白んできた空の下を、再度山頂に向かう。

 太陽は、薄い雲の帯の中に顔を出した。その色は、普段の金色と違って、真っ赤だった。そして登るにつれて金色に。
 山頂からの展望は、時間が経つのを忘れさせてくれる。いつまでもここにいたいという声も上がる。剣岳(つるぎだけ)がうっすらと赤く染まり、それに続く立山、薬師岳(やくしだけ)、さらにダイヤモンドコースの山々、そして五竜岳(ごりゅうだけ)のすぐ右手には、天を突く槍ヶ岳(やりがたけ)が強く自己主張している。そして穂高の山々も見えている。手前の五竜岳は、朝の斜光線を浴び、陰影を作ってどっしりと佇んでいます。
 その右には、昨年登った針木岳(はりのきだけ)や蓮華岳(れんげだけ)が、遠く見える。目を北に転じると、不帰嶮(かえらずのけん)から大きくせり上がった天狗の頭、そして白馬鑓(しろうまやり)が見え、その左には日本海の海岸線も見えている。
 北東方面には、遠く、頸城の山々や戸隠が見え、南の方に向かって浅間山、八ヶ岳、富士山、南アルプスなどもうっすらと見えていた。

 名残惜しい展望をあとにして、小屋に戻り朝食を取り、下山にかかる。明け方は素晴らしい天気だったが、すぐに雲が湧いてきた。丸山ケルンを過ぎ、残雪のところで、また一遊び。今回は、尻にビニール袋を敷いて滑り、みんなで楽しんだ。

 下の樺を過ぎると、八方池が見えてきた。青空を映して、池の色が青くなっている。池に映る白馬三山を見れるのではないかと期待が高まる。
 しかし、八方池に着いた時は、三山にガスがかかり、山はほとんど見えなかった。それでも池の中には黒サンショウウオがいたり、湖面にはギンヤンマ(たぶん)が飛んでいた。空には、アマツバメやイワツバメが飛び交っていた。

 入道雲がもくもくと立ち上がる空の下、リフトとゴンドラを乗り継いで下界の人となる。昨日、朝食をお世話になったペンションの方から温泉に案内していただき、さっぱりして特急スーパーあずさに乗り込む。山の話に花を咲かせて、時の経つのを忘れて、東京へ向かった。

記:網干

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