今回は、久しぶりとなる三ッ峠山だ。湿気が多く、くっきりとした展望は望めないと思うが、バスの車中から見る富士山は、たっぷり雪を抱いて美しい。特に、河口湖の畔から見えた富士山は最高だった。
バスは、天下茶屋が本来の終点だが、通行止めらしく、三ツ峠登山口が終点となった。バスを降り、いつもの簡単な自己紹介を済ませて出発する。今日は、Kさんが風邪を引いていて、体調が思わしくないらしい。声が出なくて、ほとんどしゃべれないようだ。
まずは車道を歩く。外国人の夫婦が少し先を歩いていたが、分岐点等でどちらに進んで良いか分からず、困っていたようなので、こちらを向いたときに、手で方向を示してあげた。道標は十分にあるが、日本語だけなので、分からないようだ。
山道に入っても林道のような広い道が続く。夏鳥の声はほとんどしないが、ヒガラやヤマガラ、ミソサザイなどの留鳥の歌声が聞こえる。登っていくと、ルリビタキもさえずっていた。
北側の斜面や登山道横に、先日降った雪が残っていた。雪が溶けたばかりのところはぬかるんでいるため、少しでも靴を汚さないで済むところを探して歩く。心配されたKさんも順調に登っている。
木無山の山腹をトラバースし、尾根の下の道を歩いて四季楽園の山荘に到着する。これから登る開運山とその下の屏風岩がよく見える。数パーティーが岩場でトレーニングをしているのが見える。
昼食は、山頂で摂ることにして、すぐに山頂に向かう。山頂へは、階段の道が続く。まだ階段の木が新しい。まだ着くって1~2年ほどではないだろうか? 右手に見える富士山は笠雲がかかり、うっすら見える程度になっていた。振り返ると、御坂山地の山々が見え、その奥にうっすらと南アルプスが見える。あまりに薄いことと、山頂付近は雲に隠れていたことから山座同定はできなかった。
山頂に着くと、人が多く、とても昼食を摂るスペースを確保できそうにない。諦めて、集合写真だけ撮って、四季楽園まで下ることにする。
屏風岩ではクライマーたちがトレーニングに励んでいる。犬を連れてきているパーティーがいるのか、犬の鳴く声が屏風岩の下から聞こえている。
先日の降雪でこの付近は30センチほど積もったらしい。そのせいで、途中の北側斜面に雪が残っていたようだ。
帰りのコースは、霜山経由も考えたが、計画通り母の白滝に下ることにする。少し歩くと、三ツ峠山荘前の餌代にヒガラが2羽来ていた。
広い尾根を歩いて行くと木無山に着く。山頂は広い草原になっていて、木がないので木無山なのだろうか?晴れていると富士山がよく見えるはずだが今日はもやっていてよく見えない。
ここから、下山の道に入る。ところどころ、ぬかるんでいて、滑って転ばないように注意して下る。林道に出て、さらに下っていく。アカマツ林を下っていくとピンク色のスミレが咲いている。帰って図鑑を調べてみたらシハイスミレのようだ。さらにマルバスミレが咲き、ワチガイソウの仲間も咲いていた。ヒトリシズカが静かに咲いているが、群落になって賑やかな感じのところもあった。
足下の草花を楽しみながら下っていくと母の白滝に着く。ここには、母の白滝神社がある。滝は2段になって落ちている。
林道に出ると、いろんな種類の桜が咲いていて、楽しみながら歩いていると、コースはそちらではないとKDさんのアドバイス。つい花に見とれてコースを間違うところだった。ただ、間違ったところは、遠回りだけど、帰れないわけではなかった。
近道をして下っていくと、浅間神社に出る。神社には、太い杉がいくつかある。二つ並んだ杉は、両柱杉とも二柱杉とも男女杉とも言うらしい。
神社を出るとすぐ前にバス停があった。時刻表を見ると、20分ほどでバスが来る。バスが来たと思ったら、そのバスは、世界遺産巡回バス?ということで、河口湖に着くのは、相当時間がかかるとのこと。近くにある河口局前で乗るように言われる。すぐに行ってみたら、すでに時間が過ぎていたが、遅れていたようで、少ししたらバスが来た。バスに乗り込み、河口湖駅に向かう。風邪で声が出ないと言っていたKさんは、すっかり元気になって声も出るようになっていた。山の空気が風邪を治してくれたのだろう。
記:網干
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